ふきだし太鼓

鬱蒼と生い茂る原生林の中、斧を入れ、木が倒れる音が聞こえる・・・

朝日が昇っていく。

木に積もった雪を叩き落し、鋸(のこ)を入れる・・・。

斧を入れ、次々と開墾していくと一人の開拓者が何かを発見する。

ふきだしている水を見て皆が歓喜し、お祭り騒ぎになっていく・・・

その水が淡々と流れていく、水が岩に当たりしぶきを上げ、勢いよく流れている。

夏になり、祭り太鼓が鳴り響く・・・。

鉱山の中をトロッコが走り、坑道が崩れないように支柱を立てる。

機関車を点検し、釜に石炭をくべる。

・・・SLが胆振(いぶり)線を進み行く。

季節は巡り、再び祭りの時期がやってくる・・・

太鼓の音が雄々と勇ましく聞こえ踊りだす。

祭りに呼応するかのように、今まで以上に勢いよく水が吹き出して、

歓喜の雄叫びを上げる。

羊蹄山麓の開拓の歴史、時代の変革の中で消えて行ったものへの哀惜の念を込めた、

創作者、高田緑郎氏の集大成の演奏曲です。